らんちゅう飼育で使用している自作舟の製作工程をご紹介します
「飼育環境」でも書きましたが、プラ舟や、FRP製の舟などと共に自分で作ったビニール製の舟も使っています。ここでは現在使用している180×90の舟の製作工程を順を追って書いてみたいと思います。製作途中で写真を撮らなかったのでイラストで説明します。既製のプラ舟や練り舟などと比べて、空きスペースにあわせて目いっぱいの大きさのものが作れる他、水深を少し深く出来る等の利点があります。日曜大工の好きな方は自分で作るのも楽しいと思います。
◆材料◆
●コンパネ3×6判(畳1畳分)2枚
●角材4cm×5cm位の太さ4mを6~7本(もう少し細くても大丈夫だと思います。)
●発泡スチロール3×6判(3cm厚)2枚
●ビニールシート約4.5m(ホームセンターなどで売っているテーブルクロスなどに使うものでなるべく厚手のもの)
●ビス、木工ボンド、シリコン、ペンキなど
◆工具◆
メジャー、さしがね、クランプ、のこぎり、カッター、木工用のホッチキス、電動の丸のこ、電動ドリルなど
◆工程① 底面を作る◆
3×6判のコンパネに図のように角材をビス止めして底板を作ります。この時コンパネの外周と角材の外面をきれいに揃えておくと後で側面の板をつけるときに直角につきます。そのあと図の斜線の部分に断熱材として発泡スチロールをはめ込んでおきます。
◆工程② 側面用の板を切る◆
図のようにコンパネを切り、側面用の板にします。30.3cmという幅は材料取りの関係で半端な材料が出ないようにしただけで特別な意味はありません。水深を深くしたければ長くすれば調整できます。
◆工程③ 側面用板をビス止め◆
①で作った底面に②で切った側面をビス止めします。この時底板に対して出来るだけ直角になるようにします。また、材料の寸法の関係で側面同士の木口は重なりませんがこの後の工程で角材を使って固定しますので問題ありません。見た目を考えて角をきれいに合わせたい場合には、工程①で底面を作るとき縦横いずれかを約2.5cm(コンパネの厚みの2倍)カットしておきます。これはあくまでも見た目の問題で、角に角材を入れてビス止めするので強度には関係ありません。
◆工程④ 角材を使って補強◆
図のように角材を使って側面同士を固定するとともに膨らみ防止やビニールシートを張りやすくするため上部にも角材を取り付けます。そして、断熱材の発泡スチロールを側面は内側の角材の間にはめ込みます。
◆工程⑤ ペンキを塗る◆
この工程はどうしても必要というわけではありませんが、何かと水に濡れ易いので防水のためと、外見の見た目も考えて塗っておくといいと思います。これで外枠は完成です。ペンキか乾いたらビニールを張れば完成です。

◆工程⑥ ビニールを切る◆
最初に下の図のようにビニールシートを切ります。赤い部分は糊代で黄色い部分は木枠の上部に固定する部分ですので幅は適当で大丈夫です。今回は10cm程度にしました。本当は1枚で作ればいいのですが幅120cmのシートを使ったので2枚張り合わせになってしまいました。シートは木枠の内寸より少し小さめに切っておくとしわが入らずにきれいに張れます。
◆工程⑦ ビニールを張る◆
ビニールが切れたら木枠の内側に角をしっかり合わせ、糊代(図の赤い部分)をシリコンで張り合わせていきます。この時シリコンが乾くまでの間にビニールがずれてしまうので当て木などをしてしっかりとおさえておきます。又シリコンははみ出すくらいたっぷりと塗って気泡を追い出しながら張り合わせ、はみ出したシリコンをへらなどで整えながら隙間をふさぎます。1日程度してシリコンが固まったら図の黄色の部分を木枠に木工用のホッチキスで止め、できればその上に当て木をしてビスでしっかりと留めます。シリコンの接着部分を確認して必要があればさらにシリコンを塗って水漏れ防止をします。以上で舟は完成です。今回は一緒にふたも作りましたが木枠に網を張っただけの簡単なものなので製作工程は省略します。
水量約300㍑の自家製舟の完成です。側面、底面に発砲スチロールを敷き込んであるので温度変化が緩やかです。今回は材料を有効に使うために上記のサイズにしましたが、市販品と違って空きスペースに合わせて思い通りの大きさに出来るので便利です。